独特の唐草模様の彫金が映える

腕時計の内部機構が透けて見えるシースルーモデルは、機械式時計の面白さを堪能させてくれる。ゼンマイが徐々に解け、歯車が連動して、アンクルやテンプがけなげに動いて、それに応じて針が回る。そんな様子を観察することも機械式腕時計の楽しみのひとつだ。

自動巻き式ではなく、手巻き式なので、ケースバックのメカニズムを鑑賞するときに、遮るものがなく、いちだんと深く味わえる。また文字盤や、ムーブメントの地板や受け板に施された繊細な彫金も楽しめる。その唐草模様の装飾は、かつてのクエルボ・イ・ソブリノスがキューバ・ハバナに構えた本店の金庫にほどこされていた装飾を、再現したものだ。繊細な細工によって時計界では異色のラテン系のルーツをもつことを表現し、機械式時計のもつ芸術性をも再確認させてくれる貴重なタイムピースである。